2013年8月18日日曜日

セロトニン  ルノアドレナリン    ドーパミン     オキシトシン


「セロトニン」、「ドーパミン」、「ノルアドレナリン」は、体内(特に脳内)で重要な役割をしている三大神経伝達物質です。セロトニンならば、「セロトニン神経」で合成され神経伝達に利用されますし、ドーパミンやノルアドレナリンも同様です。アドレナリンは副腎髄質で生成されるホルモンで、若干性質が異なります。脳内よりは身体的な働きが強く、ストレス反応の中心的役割を果たし、血中に放出されると心拍数や血圧を上げ、瞳孔を開きブドウ糖の血中濃度(血糖値)を上げる作用などがあります。

「セロトニン神経」は、「ドーパミン神経」と「ノルアドレナリン神経」の両方をコントロールし、自律神経(交感神経と副交感神経)のバランスを取っています。目覚めているときの心と体の状態を調整している神経なのです。一般的には、セロトニン=副交感神経(内臓神経、リラックス神経)、ノルアドレナリン=交感神経(戦闘神経、緊張)。の図式です。

「生存」「快楽」に関係しているドーパミン神経は、人間が生きていく上で必要不可欠な本能行動(快楽を含む)に関係し、「喜びと興味関心」「不安やストレス反応」に関係しているノルアドレナリン神経は、不安やストレスをどのように処理していくかを判断しています。

「幸福感」「緊張の緩和」に関係しているセロトニン神経が、この2つの神経の働きをうまくコントロール出来ていれば、まさに幸福感に満ち溢れた人生と言えます。

というわけで、【意欲、やる気】はノルアドレナリンが最も関与しています。ただ、ドーパミンも快楽や生存、楽しみに関係しており、セロトニンも幸福感に関係していますので、三者で相互的に「やる気」を誘発していると言えます。


以下、セロトニンの作用についてまとめておきましょう。

○セロトニン神経の働き

◆ 心と体を睡眠から覚醒させる。

◆ 心の不安や緊張を取る。

◆ 自律神経を適度なレベルに保つ。副交感神経の活性化。

◆ 痛みの感覚を制御する。

◆ 正しい姿勢を保つ。

このようにセロトニン神経は、ストレスで生じる様々な症状、不眠・不安・心の緊張・マイナス思考・自律神経のバランスの乱れ・疲れた表情や姿勢などにも深く係わっています。不安や緊張・マイナス思考の原因は、セロトニン神経の働きが弱くなっている可能性があります。

http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1245115507


ドーパミン
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%89%E3%83%BC%E3%83%91%E3%83%9F%E3%83%B3



人はなぜ愛するか・愛情


愛とは、人と人が互いに喜びや快感をお互いに分かち合い、相手と一体化したいと願う感情。
人間が生まれながらに持っている強い本能です。



A-10神経を流れるドーパミンは、私たちの感情の中でも特に愛と関係があると考えられています。A-10神経は、神経繊維が集まった神経の束、この一本一本の中をドーパミンが流れています。

神経繊維は、細胞から細胞へ信号を送る電線で、その内側では小さな玉に包まれたドーパミンが末端に送られていきます。そしてA-10神経の末端にたまった小さな玉は、外からはいって来た刺激をうけて弾け、中のドーパミンが放出されます。

するとA-10神経の通っている場所の細胞が、ドーパミンをレセプターで受け止め興奮し始めます。
その興奮が脳に快感を生み出します。

快感とは、A-10神経から周りの細胞にドーパミンが放出され、その時起こる興奮が生み出す現象だと考えられています。

快感は、あらゆる生き物を行動させる原動力になっています。人の場合も、恋をするとA-10神経からドーパミンが放出され、脳が快感を感じます。するとその興奮が自律神経から全身に連絡されます。心臓に伝わると鼓動が早まって胸がドキドキしたり、顔に伝わると頬が赤くなったり、目が潤んだり、恋愛特有の症状が起こってくるのです。

愛し合っているとき生まれる性の快感は、恋する男女を強く結びつけると同時に、生き物が子孫を残していくための性行動を生み出す強い原動力になっています。男と女は、脳で愛し合っているのです。

視床下部は、生きていくために必要な欲望を生み出す、爬虫類にもある原始的な脳です。食欲を生み出す中枢、性欲中枢等があります。

性欲中枢は、男女で違いがあります。性欲中枢の中の人の性欲を生み出す神経細胞の塊が、男性のほうが女性より二倍の大きく、最近の学説ではこの違いが男と女が惹かれ合う一つの理由であると考えられています。

しかし同じ好きになるにしても、人にはそれぞれ好みがあり愛する対象が違ってくるのはなぜでしょうか。特定の人を好きになったり、嫌いになったりする感情。それは脳のどこで生まれるのでしょうか。

その謎を解く鍵は、脳の奥深くにある扁桃体にあります。この扁桃体が好き嫌いを決めています。扁桃体が好きと判断すると、ドーパミンが流れて欲望の脳・視床下部から快感が生まれると考えられています。こうして男女の愛は生まれるのです。

扁桃体は、好き嫌いを判断する中枢です、出会ったものが自分に有利か不利かそれを判断する中枢といってもいいのです。

サルはスイカが大好物です。それはサルの扁桃体に好きなスイカにだけ反応する細胞があるからだと考えられています。サルの扁桃体に電極を入れいくつかの細胞を調べたところスイカを食べたときにだけ急激に電流を発生する細胞が発見されたのです。このような細胞の働きが好きという感情を生み出しているのです。

スイカを食べたとき扁桃体には色や形・匂い・味・歯触りなどの五感からの情報がすべて入ってきます。そしてこれらの感覚を統合して扁桃体が興奮してA-10神経からドーパミンが出始めます。

この時生まれる快感が扁桃体でスイカが好きだという感情を生むのです。この体験が扁桃体の細胞に記憶されると考えられています。サルの扁桃体では、好きなスイカだけでなく、嫌いな蜘蛛やヘビにだけに反応する細胞も発見されています。

扁桃体というのは感情の源であり、私たちの恋愛感情や好き嫌いもここから生まれてきます。

恋はある日突然心に芽生えます。なぜ彼女に恋したかと問われも彼女が現れたからだとしか答えようのない恋の不思議。それは好き嫌いの脳・扁桃体から生まれてくるのです。

男女の愛、その好き嫌いを決める出発点は、幼児期から始まっています。この時期にどのような愛情を与えられるかが、その後の愛に大きく影響してくるのです。

ヒトの脳は幼児期に急激に発達してきます。誕生後一年経つと脳の体積もおよそ倍近くに増えます。そして神経繊維が枝のように伸びて、脳の基礎が出来上がる3-4歳頃まで、この時期が愛にとって最も重要なのです。

この時期に母親の愛情に恵まれないと子供はどうなってしまうのでしょうか。たとえば母親が鬱病だと、赤ちゃんにも深刻な影響を与えてしまいます。幼児期に受けた愛が、男女の恋の行方を左右することもあります。

人と人とのつながりが広がるにつれ、私たちの愛する対象も男女、親子、そして家族へと広がっていきます。

無条件に愛される事の喜びから生まれる親子の絆、愛の原点はここにあります。

このような親子の愛情にもA-10神経を流れるドーパミンが関係しています。ドーパミンは快感を生むだけではなく、親子を結びつける働きをするオキシトシンという物質を視床下部で生み出しています。

オキシトシンの神経をドーパミンの流れている神経が取り囲んでいます。ここからドーパミンが放出されると、その刺激でオキシトシンが分泌されるのです。これまでオキシトシンは、出産や授乳のときに母親の体内で働くホルモンだと考えられてきました。しかし最近脳の中でも働く物質だとわかってきたのです。

脳の働きが異なる二種類(家族型と単独行動型)のネズミからオキシトシンの新たな作用が発見されました。
家族性ネズミの方が、単独行動型のネズミよりオキシトシンのレセプターの多いことが発見されたのです。

生まれたばかりの赤ちゃんを親と引き離した場合、この二種類のネズミの行動には歴然とした違いが現れます。オキシトシンレセプターの少ない単独行動型の母親は赤ちゃんに無関心です。赤ちゃんもあまり母親への執着は強くありません。

一方オキシトシンレセプターの多い家族性ネズミの方は母親は赤ちゃんが心配ですぐに駆けつけて保護します。赤ちゃんも懸命に乳首にしがみつきます。

動物には本来自分以外の生き物を恐れる原始的な本能があります。オキシトシンはこの不安をうち消して、親子の強い結びつきを生み出す役割をしていたのです。

哺乳類は進化するにつれ仲間同士で接触することが必要になってきました。オキシトシンは知らない相手を恐れるという動物本来の自己防衛本能を乗り越えるために働くようになってきたのだと考えられます。

不安や恐れは視床下部から生み出される原始的な本能です。視床下部は外から与えられる刺激の種類によって、快感を生むこともあれば、不安を生むこともあります。それが行き過ぎないようにコントロールしているのが扁桃体なのです。

A-10神経の終着点に広がる前頭葉。ここは人間になって発達した最も新しい脳です。

前頭葉は、知性と創造力の脳です。前頭葉は道具を発明して文明を築き、芸術や思想を生み出しました。そしてここから本能を越えた人間だけの崇高な愛が生まれてきました。

人と人とが共に生きていくためになくてはならない思いやりや自己犠牲の愛です。前頭葉は愛の向けられる対象を、肉親や恋人以外の見ず知らずの第三者へと広げたのです。

巨大に進化した私たちの脳。すべての感情はここから生まれます。愛とは何か。それは人が自らの脳に問い続けてきた永遠のテーマです。

ヒトの脳から愛が生まれるとき、快感を伝える物質・ドーパミンの大きな働きがありました。その快感が人と人とを結びつけるのです。人は一人では生きていけません。人を愛し愛されるために、私たちの脳は常に外の世界に向かって開かれているのです。

愛とは、人と人が生きる喜びを分かち合うこと。二つの心が出会って、一つの心に解け合う喜びなのです。
何故愛するか?
http://www.geocities.co.jp/HeartLand/2989/brain4.html


第3回「夜の過ごし方を変えて,良質の睡眠を手に入れる!」

今回は,勉強が身につく夜の過ごし方に関してお話しします。今回は,受験生を含む多くの学生諸君に参考にしてほしいと思います。皆さんは夜何時まで勉強していますか? 授業の予習・復習や受験対策で照明機器(学習スタンド 等)の下,教科書や参考書を一生懸命読んでいることでしょう! 更に眠気覚ましにコーヒーや緑茶を飲んで,夜食を食べたりもしているでしょう。しかし,この様な夜の過ごし方は,睡眠の質を落としてしまい,ひいては学習効率を低下させてしまいます。本稿で提案する方法をぜひ取り入れてみて下さい。きっと快適な睡眠を手に入れることが出来,勉強した内容がぐ〜んと身に付くことでしょう。
 最初に,私たちが寝ている間に身体の中で何が起きているかをお話しします。睡眠とホルモンに関する解説です。  睡眠に関連したホルモンは,2つに大別できます。1つは,「寝ている間」に分泌されるホルモンです。そして2つ目は,「夜」に分泌されるホルモンです。つまり前者は睡眠に依存したホルモンであり,後者はサーカディアンリズムに関連したホルモンです。睡眠に依存したホルモンの代表格は,成長ホルモンやプロラクチンです。一方,サーカディアンリズムに関連したホルモンの代表格は,メラトニンとコルチゾールです。  成長ホルモンは,身体の成長,修復および疲労回復の役割を果たします。そして,睡眠初期のノンレム睡眠(大変深い睡眠)時に最大の分泌量を示します。プロラクチンは,睡眠開始直後から分泌され,朝方に向かって増大します。乳汁分泌促進,ストレス耐性の増加,身体修復の作用があります。睡眠時には,自律神経の副交感神経が働き細動脈が弛緩し,成長ホルモンやプロラクチンが身体の隅々に運ばれることになります。とりわけ,睡眠の初期段階でしっかり寝ると, 身体の疲労が取れます。
 メラトニンは,習慣的就床時間の1〜2時間前から分泌され始め,深部体温が最低になる1〜2時間前にピークを迎えます。つまり深部体温が最低になる時間は朝の4時頃ですから,深夜2〜3時頃がピークになります。メラトニンは,サーカディアンリズムに従い夜に分泌され,光刺激によって分泌が抑制されるので,「ドラキュラホルモン」とも呼ばれます。メラトニンは,入眠作用や睡眠維持作用があります。また,サーカディアンリズムの強い同調因子で,夕方〜深夜のメラトニンはサーカディアンリズムの位相を前進させます。一方,コルチゾールは,睡眠初期のノンレム睡眠(大変深い睡眠)で分泌が抑制され,朝の起床前後で分泌は最大値示します。コルチゾールは,血糖値維持や肝臓における糖新生促進などの作用があります。これは日中に活発に過ごすために使われ,夜に向けて減少していきます。そして,ストレスに耐えて生活するためにも重要な役割を果たしており,「ストレスホルモン」とも呼ばれています。
 メラトニンは,松果体でビタミンB12の作用によりセロトニンから生合成されます。メラトニン分泌は,その作用により,睡眠初期のノンレム睡眠(大変深い睡眠)を実現します。睡眠初期のノンレム睡眠(大変深い睡眠)の効果をまとめると以下のようになります。
(1) 大脳皮質を充分に休めるための睡眠。

(2) 成長ホルモンによる身体の成長,修復および疲労回復を助ける睡眠。

(3) コルチゾールの分泌を抑制する睡眠。就寝中に持続的にコルチゾールが出続けると,血糖値が高くなり過ぎたりして,成人病を来す恐れがあります。さらに,コルチゾールが過剰に脳に運ばれると,記憶を定着させるために大事な海馬という器官が侵害されます。

(4) 嫌な記憶を消去する睡眠。嫌な記憶は,ストレスになり,安定した睡眠を阻害するのみならず,ストレスホルモンであるコルチゾールを大量に分泌させてしまい,海馬を侵害します。

(5) 脳細胞を修復・保護する睡眠。睡眠を誘発する物質(睡眠物質)の一つである酸化型グルタチオンは,日中に蓄積されていき,ある程度溜まると眠気を生じさせます。そして,入眠するとニューロンの過剰活動により出来た細胞毒などから脳細胞を保護します。
 以上の通り,良質の睡眠を実現する上でメラトニンの分泌は不可欠ですが,この「ドラキュラホルモン」といわれるメラトニンは,ちょっとしたことで分泌が抑制されてしまいます。そこで,以下に,メラトニンの分泌を抑制してしまう主なものを挙げます。
(1) 寝る前2〜3時間の,200〜300ルクス以上の光刺激,特に商店街の明かりやコンビニの照明はNGです。また,テレビやパソコンのモニタの明かりもNGです。

(2) 寝る前2〜3時間の,刺激物の摂取,特にコーヒーや緑茶などカフェインの入ったものはNGです。カフェインはメラトニン分泌を強力に抑制します。

(3) 睡眠環境(寝室)における30ルクス以上の明かりはNGです。ロウソクの明かりは15ルクス位です。0.3ルクス位が理想的です。障子越しの月明かりです。理想的な睡眠環境に関しては,次回に詳細に説明します。
次に,夜の適切な過ごし方を,次に挙げます。参考にしてください。
(1) 夜7〜8時以降は,強い光に当たらないようにしましょう。この時間帯の強い光は,サーカディアンリズムの位相を後退させてしまいます。一般的家庭の室内照明は300ルクス程度です。この程度なら大丈夫ですが,商店街の明かりやコンビニの照明はNGです。

(2) 寝る2〜3時間前までに入浴を終えましょう。メラトニンは体温を下げ,それによって入眠するのですが,寝る前2〜3時間に入浴すると,体温が上昇してしまいメラトニンの効果を相殺してしまいます。

(3) 寝る2〜3時間前に食事を終えましょう。遅い時間帯の食事もサーカディアンリズムを乱してしまいます。

(4) 寝る前の2〜3時間は,コーヒーや緑茶などの刺激物は避けましょう。出来れば,夜食も避けるべきです。

(5) 寝る2〜3時間前は,部屋を暗くして勉強しましょう。実は,学習スタンドなどの照明もメラトニン分泌を抑制してしまいます。これでは勉強が出来ない!ことになってしまいますが,実は秘策があります。室内の照明や学習スタンドの照明を,白色から電球色(赤みがかった色)にすればOKです。メラトニン分泌は青色成分の光に顕著に抑制されますが,暖色系の光では比較的抑制されません。また,私の研究室では,白色光や青色光に比べ,黄色光(電球色系)の照明下で高次認知機能作業の成績がアップする結果が出ています。更に,黄色光(電球色系)で疲労が少なく長時間成績が下がりませんでした。最近の蛍光灯には,電球色系のものを出ています。取り替えてみては如何でしょうか。
以上,今回説明した夜の過ごし方を取り入れてみて,良質の睡眠を手に入れてください。

メラトニン   コルチゾール
http://www.konan-u.ac.jp/special/vol_3.html

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