▼カビが原因で起きる「脂漏(しろう)性皮膚炎」
実は肌には、マラセチアというカビが常在菌として存在しているんです
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でも、悪いことばかりじゃないんですよ。
皮脂を脂肪酸に代謝し、肌を弱酸性に保つ働きがあるのです
マラセチア菌は皮膚の表面に常在している脂が好きなカビ
皮脂や汗などの分泌物が増え過ぎると…
吹き出物ができたり(ニキビ)、皮脂にふくまれる脂肪酸が酸化すると臭いを発したり(加齢臭)と、ちょっと厄介な面もあります。
赤みのある境界のはっきりした湿疹で、皮膚がふけのように細かくむけてきます。
当初の症状が、ほかの皮膚炎(アレルギー性皮膚炎や刺激性皮膚炎)と似ているため、脂漏性皮膚炎とは知らないまま、かゆみなどに悩んでいる方はかなり多いと推定されています。
▼脂漏性皮膚炎が他の皮膚炎と大きく異なる特徴とは…?
←こちらが顔にもいるカビ「マラセチア菌」。

「マラセチア菌は、顔や頭だけでなく、体のほうでも繁殖することがあります。その場合、首筋や胸、背中や腕など上半身で白いかさかさした病変を作ることが多く、炎症があると赤みも加わります」

参照:http://aoihifuka.sblo.jp/article/57665291.html
▼治療法は?
厚いかさぶたが付着しているときは亜鉛華単軟膏(あえんかたんなんこう)や親水軟膏を厚めに塗った布を貼(は)ります。赤みが強いときは、副腎皮質(ふくじんひしつ)ホルモン(ステロイド)薬を塗ります。ビタミンB2、B6などを内服します。
しかし、上記の投薬で必ず治ると保証されるものではないようです。
例え軽症の段階でも、自己判断は禁物。必ず医師に相談しましょう!
▼自分で注意できること
①食事
中医学で脂漏性湿疹は、胃腸にこもった熱に原因があると考えられることがあります。辛いものや脂の多い肉類・揚げ物など摂り過ぎていませんか?
※避けたい食材(熱を生みやすいもの)
肉類、香辛料、燻製類、刺身、甘いものなど

※オススメの食材(熱を冷ましてくれるもの)
きゅうり、トマト、ナス、貝類(アサリやしじみなど)、海草類(ワカメ・ヒジキなど)
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ビタミンB群(とくにB2、B6)とビタミンCは、皮膚の代謝を改善し、ダメージの回復を早める働きをするようです。

但し、自分の「体質」もありますから、食事療法も医師と相談しながら進めると良いでしょう。

中には「食事療法はこの皮膚炎にはあまり意味がない」とおっしゃる先生もいるようです。
②リネン類は清潔に
フェイスタオルやバスタオルを清潔に保つということはもちろんですが、肌に密着する枕カバーも清潔に保ちましょう。枕カバーは一晩中、顔に密着するところ。こまめに洗濯しましょう。
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③エアコンの掃除はこまめに
掃除をしていないエアコンは、部屋中にカビの胞子を撒き散らします
④過剰保湿、過剰殺菌に気をつける
過剰保湿は、肌にカビ菌の好む湿度の条件を作ることになるので、気をつけましょう。かといって、お肌を清潔に保とうと殺菌しすぎるのも禁物!肌のバランスを保つ為に働いている常在菌を殺してしまうことになってしまいます
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